新任営業社員セミナー(北九州商工会議所)開催

今こそ求められる人的営業

今回も多数の新任営業社員に方にご参加いただきました。熱心なご参加ありがとうございます。
北九州商工会議所にて5月22日、1日6時間のセミナーを仙波英幸が担当し、終了しました。

今後ますますルーティーン化できる仕事はすべて『オートメーション(コンピュータ)化』していきます。
営業のかなりの業務がデータ化できる時代となりました。
営業人材は、エンジニア系に比べるとどんどん減っています。
それでも、得意先は、「〇〇さんに話を聞きたい」「担当の〇〇さんだから契約するんだ」とおっしゃいます。
人間性がよいとか、営業態度が気に入っているとか、あの人とは関係が築きやすい…などのご要望も多々お聞きします。
営業職が会社の窓口であること、お客様と我社をつないでいることは、お客様の方が求めているからなのです。

急速なデジタル技術の進化により営業を取り巻く環境は一変しました。
特にインターネットの普及は“情報主権革命”とも呼ぶべき大変革をもたらし、その結果、売り手中心の商品説明型営業スタイルが
通用しない時代が到来しました。
説明は不要です。相談にのるのです。
お客様のパートナーとして、まるでかかりつけ医のように、伴走するスタイルが望ましいと言えます。
特に、モノからコト消費の時代、新しい問題が生まれる現代、
これからは顧客の抱える課題解決に貢献する顧客中心の提案型営業スタイルに転換することが必要です。
顧客の真のニーズを理解し、その実現に役立ち信頼されるパートナーとして進化していくことが強く求められているのです。

ところで、営業的スキルは一生使えます。
営業として顧客の相談にのる、提案をする、問題解決を一緒に行う、アフターフォローをする…という活動の経験によって、
どんな対人関係も短時間で開かれた関係が持て、また親密になれ、提案や交渉また合意にむけて
協調する話し合いが進めやすくなる一生もののスキルを手に入れられます。
顧客の課題に寄り添える、信頼関係を築く…そのためにまず、感じ取る、相談に乗る、商談する、などに
データを超えて、人間としての特性や魅力が必要だと言えます。
顧客や社会に役立つ課題解決型ビジネスを対話の中で勧め、一緒に進行させるなどによってビジネスを加速させていきましょう。。

AIに越えられないコミュニケーション力を活かす

AIにできない、人だけの特性・能力を活かすには「感情」を理解することが最も大切です。 

雑談により、互いの理解が深まり壁がなくなることで心理的安全性が高まります。
気軽に言葉を交わしあう雑談には、お互いの警戒心を薄め、心理的安全性を高める効果があります。 例えば、その日の天気や朝の出来事など、ちょっとした話題をもちかけ笑顔でコミュニケーションを始めることで、よい雰囲気を作り出すことができます。
そのためにも、聞き上手になること、相手に質問をすること、非言語コミュニケーションを意識し、雑談上手になることが重要です。

・雑談を通して相手の話し方・しぐさ・態度を観察し、相手の性格をある程度把握することで、相手に心地よいペースでコミュニケーションが取れる。
自分のことを知ってもらう
・苦手な人は自己紹介シートを活用する。
相手とラポールを築く
・緊張感を解き、自然体で会話ができる関係を作る。
効果的な話題
・相手が自慢したいテーマや身近な旬の話題について複数準備する。
・何か相手の為になる情報とリンクさせる。(猛暑の話題+対策のアイデア)
・相手との共通点を見つけることで、親近感が芽生える。(例:出身地・学校)

会話の際、「表情」や「しぐさ」を観て相手の感情に気づいたり推測します。そうしながら発した言葉が「本音」なのか、「建前」なのか、
相手の真意を推し量りましょう。
例えば、「当社には不要です」という言葉だけを切り取って、すぐ解釈、分析してしまうのではなく、
その発言をしている表情が、本当に不要なのか、絶対に不要なのか、自分の意見で言っているのか…などを五感で感じ取っていきましょう。
弱々しい声、暗い表情、下向きの顔の角度、体を曲げている、手を合わせて硬くなっている…など、態度や声などから
わかることがたくさんあります。
言語のみから出力して判断するロボットではないので、感覚的な受信を大切にすることが人間らしい営業パーソンの強みとなります。
そのためには「雑談」が大事です。
質問や会話で相手の状況を把握していきます。瞬発力や共感する力を高めて、コミュニケーションを取りながら、信頼関係を構築していき親しくなりましょう。
わかり合える相手に対して、お客様は心を開いてくれます。個々の顧客のそれぞれの潜在的ニーズが推し量れるようになること、
そして顧客の問題解決への打開策を提示する方法や、そのタイミングを探るのです。
研修では、名刺交換のあとの雑談タイム、そしてヒアリングタイムをロールプレイとして、じっくり練習していきました。

トークスクリプト作りを…

トークスクリプトがないと、それぞれの知識や経験などで話を進めるため、人によって営業活動に差が出てしまいます。 また、アピールポイントがズレることで、成果や失敗などの判断がしにくい可能性もあるでしょう。 トークスクリプトがあれば、営業マンが営業活動をする際に、自社製品やサービスに関して統一したトークが可能になります。

お客様の関心事(願望、困りごとなど)を把握し、商品の提案につながる情報収集を行う。
「何を」聞くべきかを整理する。話の展開を想定し、準備する。会話が向かうべき方向を決めておくことで、計画的で無駄のない活動になります。

お客様の欲しいという気持ちを引き出すためには、お客様の問題解決になる、お客様のメリットにつながるような、
主語をお客様にして説明することが大事です。
「この商品をお使いになると、御社の毎月に電気代が10%削減できます」
「御社総務部の請求書作成に残業することがなくなります」
「業務プロセスがらくらく管理でき、歩留りや納期遅延がなくなります」・・・など。

  • 自社商品を具体的・印象的に提示、提案する。
  • お客様の問題解決につながることを論理的に証明する。

研修では、自社商品の提案(特徴・利点)とお客様のベネフィットを明確に言語化し、キーワードを入れたトーク台本(スクリプト)を作成しました。自社商品の一番の強み、他社にない特徴や利便性、契約後に顧客は何を満足してきださっているのか、根拠をもとに、簡潔な話し方としてまとめます。
研修では1時間以上を使って台本化し、ペアやグループ内で実際に練習していただきました。
各自が、自社商品を説明し、顧客の役をしてくれたメンバーから感想や意見、コメントをもらうことで、自分の提案話法を改善し、
練り上げていく時間になりました。
「この人、うまいなあ」真似させてもらいたいプレゼンに聞こえますが、それぞれが他者がみんな上手く見えてしまうものです。
お客の立場に立ってみると、ココが効くなあ、こんなヒアリングが自然だな、説明は具体的な方が良いなあ…などと
色々な意見が出てきます。
長時間の学びによって、自分の営業マンとしての役割や期待の大きさを改めて感じ、自覚を強めた新任者の皆様でした。
個々の課題に気づき、もっとお客様のお役に立ちたいと意欲を新たにできました。

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