営業は対象が法人(BtoB)であるか、個人消費者(BtoC)であるかによって
顧客へ提供する価値についての着目ポイントが異なります。
例えば車をセールスする場面について、考えてみましょう。
個人消費者を対象としたセールスでは、これまでとは違う“非日常体験”を
いかにイメージしてもらえるかが重要です。
顧客は、自分自身が新車に乗って快感に浸っている場面をイメージします。
これまで乗っていた車とは違う高級感や、他の車には無い安心感といった
顧客ニーズに合ったイメージが強固になればなるほど、欲しくなります。
従って、営業マンは顧客心理を把握しながら商談を進めるスキルが重要
となります。
個人消費者向けの営業でやってはいけないこと
実践で通用する“顧客心理を基にしたセールス”技法を身に付ける上で、
気をつけなければならないポイントがあります。
それは「顧客心理をテクニックで誘導しようとする操作主義的な営業をしない」
ことです。
例えば「いまこの場でご契約のお客様に限り50%OFFにできます」などの表現
を用いる場合は、注意が必要です。
顧客は「営業マンが自分を操作しようとしている」と少しでも感じれば心を閉ざし
ます。
営業をテクニックだけで鍛えようとすると、操作主義的な営業をしてしまいがち
です。そのような手法を用いた営業は役に立たないばかりか、害になります。
操作主義的な営業は100%顧客からの信用を無くすからです。
法人向け営業で重要なポイント
法人営業ではこうした心理テクニックは通用しません。
購買担当者が衝動買いや個人的好みで購入することは、ほとんどないから
です。
法人営業では「顧客が負荷を負うべき業務を、どれだけ代行してくれるのか」
が肝心です。一言でいうと“顧客代理”の内容と質が鍵となります。
例えば社用車を購入する法人向け営業の場合は、購入手続き、事故・車検の
面倒な手続きを安心して任せられるといったことが、訴求ポイントになります。
以上、法人(BtoB)と個人消費者(BtoC)に対する営業の違いを理解して、営業
スキルを磨いていきましょう。
特に法人営業では、巷にあふれる煽り系の薄っぺらな知識やテクニックは通用
しません。法人営業のしっかりとした基本を学び、正統派の営業スタイルを確立
していきましょう。