8月19日、朝刊より。
明治安田生命生活福祉研究所の調査。
出産と育児を経験した女性の半分近い割合の人は、子供が中学・高校生になったら
正社員(ここでは法律上の勤務時間においての雇用分類かと思われる)勤務を希望しているとのこと。
しかし、現実は、1割にも満たない割合の正社員率である。
実態は半分以上が、「専業主婦」なのである。
この調査では、なぜ、実態が理想と違うのか、理由が不明である。
何となく、「採用する側の責任」のように読み取れてしまう。職場環境を整えて欲しいと締めくくっている。
果たして、本当に、正社員になれないのは採用する企業側の問題なのかな?
「応募したけど、採用されなかったから専業主婦をしているのか」
「やりたいけど、年齢等に見合う求人がないから応募をしていないのか」
「理想としているだけで、何も求職活動をしていないのか」
「理想は報酬の高い正社員とは思っているが、パートで家計の補完的に働いているのか」
「正社員になりたいけど、実力が不足しているので、あきらめているのか」
・・・その、理由がわからない。
このままだと、本当に、採用していない側の問題なのかな…と思われる。
実は、企業は労働力としての潜在能力はよくわかっている。
育児を終えた女性がどれだけ即戦力になるか、よくわかっている。
体力も生活力もある。消費者としての目線も肥えている。子育て経験があるので部下育成もうまい。
細かい気遣いもでき、職場の雰囲気を明るくしてくれる。柔軟性のある考え方や知恵を持っている。
経済性もあるのでコスト意識が高い。
汚い仕事も嫌がらずできる。
営業においても勝手口営業ができる。
・・・・挙げればキリがない。
幼児が家庭にいないので、欠勤や早退も少なく、安定した就業をしてくれる。
ここに気づいている企業経営者は実は非常に多い。
概ね45歳以降の女性を雇用したい企業は多いのである。
しかし、採用環境と、育成環境は整っていないのは事実である。
うまく育成したりポストを用意したり、他の社員との関係性を整える用意が必要かもしれない。
加えて、女性側の問題もある。
果たして、女性側は、本当に正社員としての勤務を希望しているのか?
ここでの質問は、正社員としての「待遇」を希望しているのかという質問が欠けている。
実は正社員なみの「待遇」のみを希望しており、勤務時間や拘束は「自由度の高い」勤務形態を
望んでいるのではないだろうか?
家庭との両立がある程度できること。・・・これは、外せない条件であろう。
自分自身のやりたい仕事をもち、社会との接点や人間関係を築いていきたい願望がある。
だが、絶対的に家庭との両立が条件だろうと思う。
だとしたら、正社員並みの報酬を得られ、かつ、時間が柔軟な働き方で自己実現ができることが
最も大事なのだ。
だとすると、理想的な働き方は「正社員」という括りではないはず。
この調査は、質問が悪い。
「所得」プラス「自由な時間」この2つが同時に叶わないと、家庭と両立した働き方はしたくないし、
現在の企業組織にはあまり働きたい会社はない、というのが女性の本音だろう。