共同通信社のニュース(30日)はまたガッカリの現状を浮き彫りにした。

大企業の女性管理職の登用が進んでいない、というものだ。

管理職に占める女性の割合は、課長級が平均5・4%。部長級は同2・5%、役員級は同1・7%と100人に数人のレベル。同時に「望ましい割合」を尋ねると、課長級は平均18・6%、部長級は同15・4%、役員級は同14・4%・・・とのこと。

大企業5000人以上で6%程度というのはさまざまな調査でよくあがる数字だった。また本日の調査結果でも出てきた数字が一向に上昇しておらず、世界的に見て、極端に少ない割合で非常に残念である。

大企業で5%なら、中小企業はもっともっと少ないということだ。(そう、女性割合はパートや派遣などの非定形労働が7割なのだから)

期待しているよりも実態が進まない理由として、回答の多いものは「総合職女性が少ない」「お手本がいない」「育児・介護などの理由」とのこと。

この回答者はほとんど経営トップとのことだったが、“会社は制度を用意していつでも歓迎する”のに管理職が増えないのは“女性の側に理由があるのだ”という意図に読める。

本当に、女性が管理職に昇格できる環境は社内で整っているのか?数値割合としてポジティブアクションをとっているのか?もっとお手本の社員(ロールモデル)を社内で育てて用意しようと思っているのか?

いや、まだ日本組織は本気で女性管理職を育てようという意識は持っていないだろう。消費財メーカーやアパレル系を除いて。最終ユーザーと接点がある企業では女性管理職が会社の広告塔でもあり発言権も大きい。

女性管理職が育つ土壌として日本組織はまだまだ危険がはらむように感じる。米国は消費者から選ばれた会社として女性社長や管理職が登場する雑誌などが多い。日本も消費者から選ばれている会社として、その会社の女性幹部が表舞台に登場して欲しい。それは決して社長でなくてよい。役員クラスの層の薄さを感じる。そして、そこに上がるまでのプロセスのハードさが女性の気力を萎えさせてしまうのかもしれない。

当社は、女性管理職育成を支援しています!

*参考リンク(共同通信社 ニュース)

http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010082901000272.html

(厚生労働省「平成18年度女性雇用管理基本調査 結果概要」)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/08/h0809-1/index.html