職場から帰ると、家庭人としての役割が待っている。

職場での重い責任を果たし、やりがいある職務をこなし、何とか効率よくこなし、

でも、こんなにクタクタにになって自宅に帰って来たのに・・・

今度は、家庭の中でもう一つ別の果たすべき役割が待っている。

自宅に到着してから就寝するまで、片時も安らがない、この場所。

家族が居心地よく過ごせるために、栄養や休眠がとれるために、用意するもの、

整えておく環境、成長を見守り明日への準備をさせる日常のルーティン。

大きなものは、親としての務め・・・親になれば「務め」という表現しかできない。

育児はすでに、「かわいいから一緒にいる」等という無責任な行為ではないのである。

愛があるから、身内だから、とにかく好きな人と一緒にいられるから…などという甘えた次元で

片付く問題ではない。

産んだのなら成人するまで責任を持って育てなければならない社会通念と法的約束がある。

 

職場での社会性、

家庭での社会性、

いずれも社会の役割を果たしているだけなのである。

 

ワークライフバランスは、職場の任務と、家庭の任務・・・2つの場所を効率よく替えて

うまく社会へ貢献しろよ、という意味合いである。

 

この2つの場所はいずれも、緊張状態であり、交感神経が優位である。

くつろぐことのない、休まることのない、将来の目標という名の奴隷活動の真ん中にいさせられる。

私は25年間、この2つの場所を行き来して、ずっと両者の陰となり支えとなり、自分が粉々になった。

もう疲れ果ててしまった。

振返ってみると、自分が心から笑った瞬間がない…ことに気づく。

仕事も精いっぱいして、家庭も育児も力いっぱいして、誰からも非難されないように責任を果たそうと

することで、結局、疲れ果ててしまったことと、

ここまで来た自分自身に結局、何が残ったのかな、と疑問が残ってしまう。

 

楽しいから仕事をしていたのに、家庭の制限がかかったことがある。

子供ともっと一緒に過ごしたかったのに、仕事の制限がかかったことがある。

どっちも、「なぜ、今なんだろう?」よく考えていた。

 

今、悩んでいる人に問う。

どっちか、やらされていることはないですか?

あるいは、どっちも、やらされ感がないですか?

 

ワークライフバランスとは、稼ぎと趣味の両立という意味ではない。

職場も家庭も両方とも、役割を果たす忙しさに覚悟を持てという意味である。

職場から定時に帰ったら、ちゃんと家庭で、将来を担う子供を産んで育てて、

社会性を全うしろという意味である。

日本の少子化、非婚率、は危惧すべき大きな問題。

 

趣味や、休息とのバランスではなく、

家庭人としての役割とのバランスを言う。

交感神経と副交感神経とのバランスのことだと勘違いしている人もいるが。

職業と家庭との役割のバランスを言う。

役割は2つある。

 

ただし、家庭への役割は、役割と明記されていない。報酬はない。義務だけある。

子供は産んでも良いが産まなくてもよい。産みたいが叶わない場合もいる。

出産と育児についての教育は、国はほとんどしていない。

感情や相性の問題にすり替えている。

結婚制度のメリット・デメリットは小学生から教えるべきである。

計画的な役割貢献活動がもっとまともにできるはずだ。

 

ワークライフバランス、

国にとっては、両方ともこなして、日本のGDPに貢献して欲しいということである。

大事なことはわからないものだ。