ある組織研修を担当いたしました。

時間が足りない、忙しい原因として、困っていることがあると参加者が口々に言うのです。

それは電話応対に時間が取られるということです。

「電話がなりっぱなしで自分の仕事ができない」

「『こんなことで困っている。どうしたら良いか?』…の相談ばかりで、担当部署じゃないのにかかってくる」

「客の話が長い。何とかIT電話か、メール問合せのみにしてもらいたい。相手の話につきあっていられない」

「話が聞いて欲しいなら、どこか別のところにかけて欲しい。私の時間を奪わないで」

「この電話の愚痴を聞いていたら夕方まで時間つぶしができそうだ。黙って聞いておこう」

…など、様々な思いを発してくれました。

では、それをどう対応していけばよいのか、という方法も皆で考えてみました。

しっかり相槌をうち、内容を理解してあげればご自身でも解決できるとか、

電話対応の担当者を順番制にするとか、専任にするとか、人事評価に含めるとか…いろいろな意見が出ました。

 

さて、その同じ組織の上層部では、一方で大変困ったことが起きています。

トップへ集まるクレームです。

「電話をしても職員の対応が悪い」

「職員の接遇が悪い。いいかげんな対応をしている。教育不足じゃないのか!」

「相談をしても知らん顔される」・・・

トップはなくならないこのクレームに頭を悩ますことになります。

時短や働き方改革、業務改善と言いながら、その反対側で顧客の不満足が増えていく矛盾が起きているのです。

 

そうなんです。

職員がムダと考える判断が、実は顧客の不満足につながっているのです。

何が最も重要なのでしょうか?

何に最も時間をかけないといけないのでしょうか?

誠実に、組織の目的を果たすために、何を大事にしなければいけないのかを考えていくべきですね。